2024.11.07
総合カタログ制作事例-新商品の撮影や画像合成、レイアウトまで-
企業にとって、総合カタログは重要な役割を果たすツールです。
既存顧客が製品を選択・注文する際に使用するオーダーツールとしてはもちろん、新規顧客に対して企業や製品の概要を紹介するツールとしても活用されます。また企業のブランドを形成する重要な要素でもあります。カタログのデザインや構成を通じて、企業の専門性や信頼性を伝えることもできます。
今回は、床材・建設資材を取り扱うメーカー様の総合カタログのデザイン制作事例をご紹介します。長年継続してご依頼いただいているカタログで、表紙デザインの刷新、新製品の撮影や画像合成などを行いました。
BtoB向け製品の総合カタログや、画像合成を必要とする総合カタログの制作をお考えの方は、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
目次
総合カタログのデザイン制作事例の概要
まずは、今回ご紹介する制作事例の概要をお伝えします。
ご依頼主 – 大阪の床材・建設資材メーカー様 –
今回の案件のご依頼主は、大阪に本社を構える企業様です。ゴム・樹脂製品の専門商社としてスタートされ、現在はゴム・樹脂製品の製造だけでなく、スポーツ施設や商業施設向けに床材や壁材などの建設資材の製造・販売・施工を一貫して提供されています。これまでJPCには、Webサイト・カタログ・パンフレット・チラシ・リーフレット・見本帳・DMなど、各部署から様々な広告制作をご依頼いただいており、長年お付き合いをさせていただいております。
ご依頼内容 - 床材・壁材の総合カタログの撮影とデザイン制作-
今回ご依頼いただいたのは、床材・壁材の総合カタログ制作です。建設資材を扱う部署からご依頼いただいている案件で、JPCにて20年以上継続して担当させていただいております。今回も、新商品の撮影から、デザイン制作・印刷までワンストップでお任せいただきました。
デザイン制作時のポイント-ターゲットにとって見やすいシンプルなレイアウト-
今回は担当者様が新しく変わられたこともあり、昨年制作したカタログの表紙・扉のデザインや製品のレイアウトからイメージを一新したいとのご要望をいただきました。ターゲットである建築設計や内装デザインなどを手掛ける設計者の方々にとって、シンプルでわかりやすいレイアウトになるよう意識して制作を行いました。
次章より、実際の制作の流れに沿って、デザインのポイントなどをご紹介いたします。
総合カタログのデザイン制作の流れ
今回の総合カタログのデザイン制作は、レイアウトのラフ制作→スタジオでの商品撮影→新商品掲載ページのレイアウトという流れで進めていきました。ここではそれぞれの工程を詳細にお伝えしていきます。
レイアウトのラフ制作
最初に取り掛かったのは、表紙、扉、商品のレイアウトのラフ制作です。
表紙は、ここ数年は文字だけで構成したものが採用されていたため、今年は実績画像や商品イメージ画像を使用した案や、例年よりさらにシンプルに文字をレイアウトした案など、イメージを一新できるようなデザインを複数ご提案しました。
その後、クライアント様より今回のカタログに掲載される商品リストが届きました。
継続商品一覧、廃盤商品一覧、さらに新商品リストなどがExcelにまとめられています。
これらのリストを確認しながら、カタログの全体の構成を決めるページネーションを制作します。
ここでカタログの何ページに新商品を入れるか、既存商品の掲載順、商品カテゴリーの掲載順などを決めていきます。
さらに細かく、新商品の撮影はあるか、施行実績の画像はあるか、ロケ撮影なのかなど、細かい注意点などもページネーションに記載します。
このページネーションを制作することでカタログのページ数が決定し、全体の構成がわかります。
制作の途中で商品リストに変更があるたびに、このページネーションにも変更を加えていきます。
ページネーションでクライアント様に全体構成の確認をしていただいている間に、デザイナーは表紙・扉・商品ページなどのラフのチェックバックを確認し修正を行います。
この時点で、クライアント様より「こんなイメージにしたい」といった詳しいご要望があるので、それをカタログ全体に反映できるようイメージを定めていきます。
修正したデザインを提出し、またチェックバックをいただくというやりとりを何度か重ね、他のページにも展開するためのフォーマットを固めていきます。
フォーマットができた段階で、表紙、コンセプトページ、INDEXページ、商品ページや資料ページの186ページのレイアウトがはじまります。
スタジオでの商品撮影およびロケ撮影
新商品が届いたら、撮影に取り掛かります。
スタジオ撮影はJPCの自社スタジオ「ワンストップスタジオ京都」で行いました。
600×600mm、1200×600mmなどの商品を運び込み、俯瞰撮影やイメージ撮影を進めていきます。
今回は商品表面のテクスチャーを表現するイメージ撮影が23点、カラーの種類や柄模様を表現する俯瞰撮影(このカットは後々実績合成イメージ用にも使用されます)が63点ありました。
イメージ撮影では重たい商品を移動するのがなかなか大変なのですが、商品の魅力を引き立てる1枚を撮るために頑張りました!
ロケ撮影では、継続商品の施行実績の撮影を行いました。
新商品掲載ページの画像合成とレイアウト
14種類の新商品の撮影が終わると、いよいよ新商品掲載ページのレイアウトに進みます。
できたばかりの新商品は、まだ世の中には出回っていないため、当然、施行実績写真もありません。そのため画像合成で商品を施工したイメージ写真を制作する必要があります。室内のイメージ画像を利用し、今回撮影したタイルの画像を合成していきます。
① もとになる室内イメージ画像を用意し床の部分を選択。
② 光が当たっていると思われるタイルを明るくし、ハイライトの部分も表現。(右が明るく左が暗い)
③ タイルに入る影の部分を合成。
④ 画像を馴染ませるためにノイズを入れたり、遠近感をつけたりしながらリアリティを演出。
新商品の合成画像が完成したら、新商品ページのレイアウトに落とし込んでいきます。
総合カタログの完成
全体のレイアウトが完成し、文字校正を経て全ページがOKとなれば、製版で全ページの色校正をしていきます。クライアント様立ち会いのもと、商品と色校正紙を見比べて色味をチェックしていきます。
様々な工程を経て印刷工程に進み、完成した総合カタログがこちらです。
総合カタログのデザイン制作時に大切にすべきポイント
顧客との長期的な関係構築と売上の向上につなげる総合カタログにするためには、次のポイントに注意を払って制作することをおすすめします。
高い検索性と使いやすさ
総合カタログの価値を大きく左右する要素の1つ目は、「検索性と使いやすさ」です。膨大な情報量が掲載される総合カタログには、顧客が必要な情報に素早くアクセスできるよう、効果的なカテゴリー構成と高い検索性、見やすいレイアウトが求められます。
●効果的なカテゴリー構成
製品群を適切に分類し、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできるよう構成する。
製品の特性や顧客のニーズに応じて最適な切り口を検討する。
●直感的な検索システム
ユーザーがほしい情報にスピーディーにたどり着けるよう、インデックスや目次を充実させる。
製品コード、機能、用途など、複数の検索方法を提供する。
●レイアウトとデザインの最適化
情報を見やすく整理し、ページ内の視線の流れを考慮したレイアウトに。
文字の大きさ、色使い、余白などを適切に設定し、読みやすさを確保する。
企業ブランドを体現するデザイン
2つ目は、「企業ブランドを体現するデザイン」です。
総合カタログは、新規顧客に対して企業や製品の概要を紹介するツールとしても活用されます。また競合他社のカタログと比較検討をされることもあります。
企業ブランドを形成するためにも、他社との差別化を図るためにも、デザインや装丁にも注意を払う必要があります。以下のポイントに注意を払うことで、強力なブランドイメージの構築につながります。
●優れたキービジュアル
製品の強みや特性をキービジュアル、キャッチコピーなどで効果的に表現。
●一貫したデザインとトーン
カタログ全体を通じて、企業のブランドカラーやロゴを適切に使用し、視覚的な一貫性を保つ。
文章のトーンや表現スタイルを統一し、ブランドの個性を反映させる。
また、開発者のメッセージや製品コンセプトを掲載し、ブランドの背景にある思想や価値観を伝えたり、実際のユーザーの声やインタビューを掲載して製品の信頼性と有用性を示したり、写真付きで導入事例を紹介して製品の実用性をアピールするという方法もあります。
総合カタログデザイン制作のまとめ
今回は、総合カタログのデザイン制作についてご紹介いたしました。
情報が整理された見やすく魅力的な総合カタログは、新規顧客獲得や既存顧客の継続的な発注につなげるために大きな力を発揮します。
総合カタログ制作は、膨大なページに渡るうえ、進行中に製品情報や掲載情報が変更になることもあるため、柔軟な対応が欠かせません。JPCは臨機応変な対応でお客様の総合カタログ制作をサポートします。お気軽にご相談ください。
総合カタログのデザイン制作については、以下のページもぜひご覧ください。
総合カタログのデザイン制作