2024.12.19
リーフレットデザイン制作事例-イメージカットで製品を魅せるデザイン
BtoC向け製品を扱う企業様は、販促ツールを制作される際に使用シーンがイメージできるような“イメージカット”を活用されることが多いと思います。製品画像単体を載せるよりも、実際の生活の中で使われているイメージを訴求することで、購買意欲を高めて売上アップにもつながります。イメージカットは既存の画像に合成したり、3DCGで室内イメージを制作したりなど用意する方法は様々ですが、よりリアルな雰囲気を出したい場合は「撮影」がおすすめです。製品自体の質感やサイズ感、存在感と合わせて、製品をさらに魅力的に伝えられます。
今回は、ランドリースペースに活用される2製品をPRするリーフレットの制作事例をご紹介します。建て込みセットで撮影したイメージカットを印象的に使用し、スタイリッシュなデザインに仕上げました。インテリア関係の製品を扱う企業様や、リーフレットのデザイン制作に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
リーフレットデザイン制作事例の概要
まずは、今回ご紹介する制作事例の概要をお伝えします。
ご依頼主 -大阪の空間設計・空間デザインを手掛ける企業様-
今回のプロジェクトは、大阪に本社を構える大手建設企業グループである、空間設計や空間デザインを手掛ける企業様よりご依頼いただきました。JPCではこれまで、Webサイト・ブランディングムービー・カタログ・パンフレット・チラシ・リーフレットなど、様々なものを販促物をご依頼いただいており、長年のお付き合いのある企業様です。
ご依頼内容 -ランドリー収納と物干しのセット売りリーフレット-
今回はクライアント様のオリジナル商品である「人気乾燥機を設置できるランドリー収納」と「シンプルデザインの取り付け型物干し竿」の2製品が掲載されたリーフレットの制作をご依頼いただきました。
どちらの製品もお洒落なインテリアにぴったりのスマートなデザインをしているため、現状でも家を建てた方からの問い合わせが多くあり、今後は家を建てる検討段階のユーザーにも押し出していきたいということで、販促ツールのデザイン一新をご希望されていました。
デザイン制作時のポイント-BtoC向けの暮らしを想起させるデザイン-
デザインは既存の販促ツールよりもBtoCに振り切ったイメージで、2製品をセット売りできるような構成を目指しました。また、展示会やショールームで手に取っていただけるように、インテリアとして空間に馴染んでいるイメージはマストで入れたいとのことでしたので、CGもしくはイメージ撮影カットを活用して、エンドユーザーが新しい住まいや暮らしのイメージを膨らませられるようなデザインがポイントとなりました。
リーフレットデザイン制作の流れ
リーフレットのレイアウト作成からコピーライティング、デザイン、建て込みセットを組んだ撮影までワンストップで制作いたしました。次節より制作の流れに沿って詳細をご紹介いたします。
リーフレットレイアウト作成
まず、リーフレットの構成を作成しました。写真を主役にシンプルなレイアウトを組み、写真で視覚的なインパクトを担保しながらも情報の整理整頓を徹底しました。
大枠はインテリアイメージ写真・製品概要・特徴・バリエーションといった項目で構成し、表紙と各コンテンツにコピーライターがコピーを作成しました。
また、リーフレットの折り方にも遊び心を加えました。A4サイズ仕上がりという枠組みを守りつつ、変形の観音開き仕様を採用しました。手に取った方に「めくる楽しさ」を持ってもらえるように、中面へ開く「扉」部分の境目で左右のデザインが繋がるような工夫を施しています。
ランドリーイメージカット -生成AIを活用した撮影ラフ
当初、イメージカットは3DCGでの制作を想定していました。3DCGはコストや制作スピードの面で効率的ですが、よりリアルな光や影、製品の持つ質感を表現するには撮影の方が最適ではないかとチームで検討し、建て込みセットを用いた製品撮影へシフトしました。
撮影前に撮影ラフを作成し、クライアント様とイメージを共有していきます。
今回は、撮影のラフ案作成に生成AIを導入しました。生成AIを用いることで、デザイナーがイメージする完成写真に近い空気感を伝えることができ、最終成果物とのズレを最小限に抑えることに繋がりました。
▼AIで作成した撮影ラフ
ランドリーイメージカット -建て込みセットを用いたインテリア空間撮影
リーフレット内に使用するイメージカットは建て込みセットを用意し撮影を行いました。
小物や配置、光などもリーフレットの完成イメージを元にこだわり、現場でカメラ越しに微調整しながらセット空間を作り上げました。現場ではスタジオ内の一部の小さな空間に見えても、カメラ越しに切り取られることで、まるで本当にそこに暮らしがあるようなイメージカットが完成するのが、建て込みセットの醍醐味です。
実際に撮影された写真は、3DCGとはまた違った空気感で、自然な空間の雰囲気や製品の存在感を伝えることができました。
リーフレットデザイン完成
撮影カットをリーフレットに反映した後は、その他の画像のバランス感を整えたり、製品紹介の順番を入れ替えたりなどブラッシュアップを重ねていきました。
最終的に完成したリーフレットがこちらです。全体的にすっきりと、洗練されたデザインに仕上げました。
上の一番右の写真と、下の中央の写真がつながり一枚絵として中面の扉となります。
製品説明の左側には、「ナチュラル」「シンプル」「シック」といったような複数パターンのインテリア例を出し、幅広いインテリアに馴染む製品性をPRしています。
今回のような大掛かりな建て込みセットを用いた撮影はJPCでも多くはありませんが、今後も合成・ハウススタジオ撮影・3DCG・建て込みセットなど、予算と仕上がりイメージのご希望に合わせて、柔軟にご提案できればと思います。
イメージカット撮影-建て込みセットとハウススタジオのメリットデメリット
今回のリーフレット制作では、住まいの中に製品が設置されているイメージを、「建て込みセット」を用いて撮影しました。一方で、イメージカット撮影といえば「ハウススタジオ」を利用されるケースも多いかと思います。以下にて建て込みセットとハウススタジオの違いについてご紹介します。
建て込みセットでの撮影
●メリット:建て込みセットは、撮影したいシーンやコンセプトに合わせて、理想により近い形で再現できる点が強みです。また、今回のような大型のインテリアや機材など、空間の主役に新製品を持ってきたい場合に最適です。窓から差す光も照明でコントロールできるため、撮影日の天候に左右されないというメリットもあります。
●デメリット:白ホリなどのスタジオの中にセットを立て組んでいくことになるので、その分の準備時間や費用が掛かります。建て込み専門の業者に依頼したり、事前に小物などまで細かく詰めたりなど、手配の工数もハウススタジオより多くなる傾向にあります。
ハウススタジオでの撮影
●メリット:ハウススタジオ内の様々な場所で撮影を行えるため、1か所で豊富なバリエーションを撮影できます。決まった予算内でより多くのカットを抑えておきたい場合に最適です。ハウススタジオはスタジオごとに世界観が定まっていることが多く、撮りたい製品イメージに合わせて選択できるほか、家具や小物なども揃っているため、撮影ごとの事前準備の手間が省けます。建て込みセットと比べてコストを抑えられ、撮影時間に合わせて予約できる点もハウススタジオのメリットです。
●デメリット:すでに内装や外観が完成されているため、大型の家具や設備を持ち込んで撮影したい場合は不向きと言えます。また、製品だけでなく周りの小物や背景含めて完成写真にこだわりがある場合は、完全にイメージ通りの撮影を行うのが難しい場合があります。そのほか、撮影当日の天候が悪く室内が想定より暗かったり、撮影したい場所が狭く引きの画が撮れなかったりなどのアクシデントもあるので、そういった点も事前に考慮してロケハンを行うことをおすすめします。
リーフレットデザイン制作のまとめ
今回は、新製品のリーフレットデザイン制作についてご紹介いたしました。
製品の魅力をよりリアルに伝えるために建て込みセットを組んでイメージカットを撮影し、BtoC向けに細部までこだわったリーフレットが完成しました。紙面の限られたスペース内で、伝えたいことが簡潔にまとまったデザインになったかと思います。家づくりをする多くの方に手に取っていただける冊子となれば嬉しいです。
JPCではこうした販促ツールのコピー、デザイン、撮影、印刷まで一気通貫で承っております。クライアント様のご希望や改善したい箇所などをヒアリングした上で、最適なデザイナーを選定いたします。
これまでも様々な業界のリーフレットを制作しておりますので、ご興味がある方は実績などもぜひご覧ください。