2015.11.24
【デザインの裏側】パソコン用バッグの商品タグデザイン
今回は、大阪の某大手パソコン周辺機器メーカー様が開発された新商品、パソコン用バッグの商品タグデザインについてお話します。
類似商品が密集する売り場でアピールできるタグデザイン。
一般に商品タグといえば、概ねブランド訴求や仕様の識別用に付けられる簡易なものですが、本製品の属するビジネス用PCバッグの分野では、各社とも機能を大きく謳ったPOP的性質を備えたものが大半。
ユーザーにとっては、数ある商品の中から用途に見合ったものを選び出すための重要なツールです。量販店の店頭では、同様のPOP的なタグが付けられたバッグが大量に所狭しと展開されています。
その様な売り場で、投入時の新鮮なデビュー感を出しつつ、機能的な差別化ポイントを、いかにインパクトをもたせてアピールできるか、その表現手法にはかなり力を入れました。
POP制作依頼を受けた当時はタブレットPCが普及し始めた頃でしたが、タブレットを収納しやすく使いやすい、ユーザーのニーズに応えたPCバッグはまだ少ない状況でした。
その中で、本製品はそのニーズを満たす機能とデザインを兼ね備えた新しいタイプのPCバッグとして、ユーザーに先駆的な便益を提供することのできる商品でした。
小さな面積に豊富な情報を。アイデアで相反する矛盾を叶える。
タグデザインを行うにあたっては、従来のPCバッグに比べて大幅に増えた新機能をメインに紹介しながら、従来機能も省く事なく、従来のPCバッグと明確に差別化を行う必要があります。
しかし、商品タグは訴求面積が限られているため、単純にデザインしただけではタグの大型化を招き、そのタグにバッグ本体が隠れてしまうという懸念を孕んでいました。(実際このジレンマに陥り、バッグのデザインそのものの印象が埋没…といったケースが多々あります。)
その為、表層のグラフィックだけでなく、サイズや形状、固定方法も含めた解決策が必要でした。
今回はその解決策として、最大の特長である「タブレット対応」の訴求を主要素とした大サイズタグを制作(タブレット収納部を避けて固定)。
さらにその他の従来機能を掲載する、2折り小サイズタグ(つり上げ・可動)を提案。
2種類のタグにアピールポイントを振り分ける事にしました。
メインの大タグでは、「タブレットに特化したPCバッグ」この1点を視覚的にアピール。
競合製品で多用されている文言を大きく扱うなどのチラシ的な表現は避け、タブレットの出し入れをスマートに表現したイメージ画像を大きく扱う事で、直感的に理解できる、さらに上質感を感じさせるデザインに仕上げました。
サブの小タグでは、大タグで謳えなかった多彩な機能を掲載。コアターゲットであるビジネスマンへ向けて様々な使用状況を小冊子風のレイアウトで紹介する事で、わかりやすく効果的な訴求を狙いました。
商品撮影、モデル撮影、映像編集まで
撮影に関する全ては「ワンストップスタジオ」にお任せ。
今回の案件は、商品撮影においても全て jpc ディレクションで実施。撮影から画像合成まで、撮影に関連する全ての工程を一括して執り行いました。
ちなみにバッグの場合、急ごしらえのサンプルで撮影になることが多く、そのままの撮影ではヨレやシワがどうしても目立ってしまいます。そういった場合でも、撮影時に熱処理で補正したり、撮影後に画像処理を施すなど、複合的な対応で、より精度の高い美しい仕上がりを実現しています。
現在は自社撮影スタジオ「ワンストップスタジオ」を京都本社のすぐ近くに設立。白ホリゾントスタジオ、ハウススタジオを備えたリーズナブルにご利用いただけます。大阪、神戸など関西圏はもちろん、首都圏のお客様からもご利用いただいております。是非お気軽に、まずはお問い合わせください。
今回は最終的に、各機能をユーザーにわかり易く説明するという点をクリアするだけでなく、商品を覆い隠すタグの面積を極力抑えたことで、バッグ自体の素材感やデザイン性の高さもより体感できる商品タグデザインを行うことができました。
今後もその商品の販促にとって最善の表現手法を、店舗状況も踏まえた多角的な視点で検討し、ユーザーとクライアント、双方にとって最良の解決策を提供できる事を目指していきたいと思います。