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パッケージ制作について

パッケージ制作担当の yk です。

今回は大阪の某大手
PC周辺機器メーカー様よりご依頼を頂いた、
「パソコン用スピーカー」のパッケージ制作について、その制作過程の概要をお伝えします。
speaker_bk_sample.jpg

(打ち合わせ)

まずは開発担当者様より、今回の新商品のコンセプト・特性などの説明を受け、
ユーザーにアピールすべきセールスポイントや店頭展開の構想など、
商品を理解する上で必要な様々な内容を確認します。

場合によっては売り場に直接携わる営業担当の方に対してもヒアリングを行い、
店頭でのクリアすべき課題など、より具体的な問題点の把握に努めます。

それら諸々の情報を踏まえて、自ら店頭のリサーチも行い、
提案すべきデザインの検討に入ります。

(デザイン案検討→制作準備)

そうした中で今回、最も制作のウエイトを占めるのことになったのが、
パッケージ正面に大きく扱う商品のイメージカット

商品保護の必要性から中身を直接見る事ができない紙箱仕様の為、
このイメージカットがまさに本製品のとして重要な訴求機能を発揮し、
店頭に於いてユーザーの購買欲を喚起する要素となります。

当然制作に於いても、この点の提案に最も注力するところであり、
デザインの力が試されるところでもあります。

単に商品を分りやすくシンプルな表現で撮影したものをメインイメージとする手法もありますが、今回の場合はクライアントからの要望もあり、またインテリアに馴染む「木の質感」を生かすべく、「室内で実際に使用しているシーン」を再現。

弊社にも商品撮影が可能な j-Studio がありますが、
今回は様々なシーンの展開をする必要から、
大阪近郊のロケーションハウスでの撮影を計画。
(8月から様々なシーン展開の撮影も可能になるJ-Studioを建設予定!)

カメラマンを伴っての候補地でのロケハンを行います。

location_1.jpg
location_2.jpg

(ラフ制作)


ロケハンで得た情報を元に、手書きでの撮影シーンのラフ制作に着手します。
必要に応じて彩色も施し、イメージしやすいものに仕上げてゆきます。

rough_sv.jpg
rough_bk.jpg


手書きスケッチで撮影ラフを制作する理由は色々ありますが、
実際の撮影を行う段階で、よりデザインの精度を高めていくという共通目的の元、
変更を加えていくことが多分にあるので、大まかなアングルやシーン毎の色調など、
仕上がりがイメージできる最低限のポイントをおさえたものに留め、
撮影までの前段階での制作進行を円滑に進めるという目的があります。

特に今回の様にシーン毎の空気感を大切にしたいイメージ重視の場合は、
現場でのスタイリストやカメラマンの創造性に依るところもあるので、
敢えて具体的な描写は避けています。

(撮影)

幸い今回はあまり変更もなく、アングルの調整程度で済み、順調に撮影を終える事ができました。

image_ms_130_sv.jpg
image_ms_130_bk.jpg

(仕上げ→完成)

撮影後、仕上り画像に必要な合成や修正を加え、
予め制作をしておいたパッケージ版下にはめ込んだのち、
色味や明るさなど最終的なバランスの調整を行って、完成です。

package_3d.jpg

当初のイメージどおり、使用シーンを前面にアピールした表現で、
商品のデザインフォルムを具体的に伝えるのは勿論の事、
オーディオ機器としての「高品位感」を持たせることができました。
これまでのパソコン用スピーカーのパッケージには無かった、
情緒的付加価値の創出を図る事ができ、
クライアント様からの評価も得ております。

最後に・・・パッケージデザインをするということ

パッケージは、売り場での商品とユーザー双方のより良い出会いを演出できる、
制作側にとっても魅力的なメディアではありますが、

反面、その効果よって売り上げやブランドイメージにも影響を及ぼしかねないデザインの領域です。常に過酷な状況変化にも晒され、その中にあって際立ったアピールができているものでなくてはなりません。

今後も、クライアントと商品が抱えるあらゆる課題を、
「パッケージデザイン」をとおして解決に導いてゆけるよう、
努めて行きたいと思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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