【デザインの裏側】多形態の製品パッケージデザインと各種ツールの制作について

今回は、大阪の大手パソコン周辺機器/生活雑貨メーカー様よりご依頼を頂いた、
トレーニング/ケア器具シリーズのパッケージを含む、各種ツールの制作についてご紹介します。

●製品について

本製品は、ゴルフプレイの能力を高めることに主眼をおき、
プロゴルファーのトレーナーも務めるゴルフ専門のフィットネスジムと共同開発された、
高機能トレーニング機器のシリーズです。

 また、プロトレーナー監修の元、様々なツールを用いて、
各器具ごとに効果的なトレーニング/ケアが行える、多彩なトレーニングメソッドをサポート。
トータルからピンポイント、基礎的なストレッチからハードな筋力アッププログラムまで、
ユーザーの目的やレベル、あらゆるシーンに合わせて、手軽にいつでもワークアウトに取り組める利便性を備えています。

 これらの特長を踏まえ、
新たな「ゴルフ フィットネス シリーズ」として、その優れた機能を如何に効果的に店頭でアピールできるか、
新商品としてのデビュー感も含め、パッケージフォーム・各種デザインの表現を検討しました。

●パッケージデザイン制作

今回、製品の種類は計13種あり、上記のようにマット類2種を除いて、
手のひらサイズの物から、長さやボリュームのある物まで、形状やサイズが多岐に亘ります。
そのバリエーションによって、店頭に於いては「様々なワークアウト」に対応可能である、という本シリーズの特性が、ユーザーに対してダイレクトに伝わる効果が狙えるのですが、
反面、パッケージデザインにバラつきが生じ、シリーズ感が保ちにくくなる可能性があります。
加えて、シリーズ内も大きく2つの区分（トレーニング系/ケア系）で構成されるので、
それらを踏まえ、明確なシリーズ感を保つための「汎用性」を備えたデザインフォームの構築、およびバリエーション展開に際しての様々な検証を、各パッケージごとに入念に行いました。

（提案初期段階のデザイン）

クライアントからのデザインイメージ指示を元に、初回案のレイアウト（正面のみ）を制作。
まずは、仕様が大きく異なる製品を抜粋した上で、
「POTENTIAL（=トレーニング系）」と「CARE」を、それぞれ指定のカラーで2つの製品カテゴリー分けを行いました。
全体のイメージとしては、ゴルフプレイ/ストレッチのイメージ画像を全面に展開し、
トレーニング機器としての「力強さ」を表現。
また、アイキャッチとしてメインコピーを大胆に配置し、アイコンなどサブ要素で仕様/特長を明確に記すことで、
各カテゴリー内のそれぞれの器具のいわゆる「効果/効能」の区別が、具体的に一目でわかるデザインとしました。

フォームがある程度FIXした段階で、各製品に対応したバリエーション展開を行いました。

（提案後半段階のデザイン）

前述のとおり、
サイズや形状（小型～大型/棒状）、仕様（紙箱/紙筒+シュリンク加工）、設置状態（吊り下げ/平置き）など、
シリーズ内で様々な種類のパッケージが存在します。製品間の「統一感の保持」を大前提とした上で、
且つキャッチコピー/アイコン類などのサイズや優先順位の検討を行い、各器具の特徴を埋没させることなく、個々に際立たせる。
そのためのブラッシュアップを重ねました。

なお、すべての商品撮影は弊社の「ONE STOP　STUDIO KYOTO」にて撮影。
製品上に刷られるロゴなどの各シルク印刷について、サンプル撮影時に間に合わない場合であっても、
以下のとおり、撮影後に合成等を行い、最終仕上がりの状態を再現することができます。

 

また、メインイメージ画像について、今回、開発/調整段階の1点のみ、フルCGで制作。
撮影時にサンプルの調達がつかない場合でも、
社内のCGデザイナーによる高いクオリティで、以下のように撮影と同等のイメージに仕上げる事が可能です。

●その他ツールの制作

また、今回はパッケージ制作に加えて、各器具ごとに以下のようなトレーニング/ケア用シートを制作しました。
別途配信される解説動画の内容と連動し、要約した基本フォームイラストによる図解と説明文で、より手軽にトレーニングに取り組める様、分かりやすいレイアウトで構成。
更なるユーザビリティの向上が図られています。

 

さらに、一部の器具に対して施される、シルク印刷や貼付されるステッカー用の各種デザインも制作。
特にシルク印刷に関しては、上記シートのイラストとの連動を図り、それらをベースに、
伸縮性のある繊維に印刷されることを踏まえ、イラストの簡略化や判別しやすい色へのアレンジを行いました。

（シルク印刷）

（ステッカー）

●完 成

当初のイメージどおり、製品群の「統一感」と「区別」を両立させることで、
店頭に於いては、「シリーズとしての存在感」と、個別の目的に対応した「検索性」を兼ね備えたデザインに仕上げる事ができ、
更に、各ツールのデザイン展開に連動性を持たせることで、ユーザーにとって、より活用しやすい環境を整え、
使用時に於ける、利便性も高めることができました。

（完成時 パッケージ ラインアップ）

今後も店頭状況や実際の使用時の利便性を踏まえた多角的な視点で、最善の表現手法を検討し、その製品によって得られる便益を、ユーザーに向けて最大限アピールできるデザインを目指していきたいと思います。

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