2022.10.13
【デザインの裏側】シリーズ展開商品のパッケージデザイン制作
今回は、大阪の大手パソコン周辺機器/生活雑貨メーカー様よりご依頼を頂いた、
VRゴーグル機器シリーズのパッケージ/マニュアル制作についてご紹介します。
●製品について
本シリーズは、スマホで手軽にVR体験をするために開発された、
VRゴーグル&関連製品のシリーズです。
ピント調整・目幅調節・スマートフォンのサイズに合わせて、窓の大きさの切り替えができるアダプタなど、VRゴーグルとしての充実した基本機能に加え、圧倒的な没入感を実現する遮音性の高い「ヘッドホン一体型」タイプ、VR動画に限らず様々な2D映像コンテンツも大画面で楽しむことがでる「2D/3D両用」タイプ、またエントリーモデルとしての「スタンダードタイプ」では、VRゴーグル単体製品に加えて、VRゴーグルを装着したまま、動画の操作が手元でできるリモコンがセットされたタイプ、さらに、VRリモコン単体製品も用意されており、豊富なラインナップで、ユーザーの目的や用途に合わせて、様々なタイプが取り揃えられています。
●既存のパッケージ&店頭での状況について
同社には既にVRゴーグルとその関連製品が多数存在します。
(VRゴーグル関連 既存品パッケージ )
既存のパッケージフォームは「無彩色ベース+赤帯+キャッチコピー」いうシンプルかつ高級感のあるテイストでイメージ統一が成されており、売り場においては、ゴーグル関連製品群の「一体感」が保たれていることによって、他社製品との明確な差別化が既に図られています。
そのため他社と比較しても同社のシリーズが「様々な用途に応じて製品の選択ができる」という訴求が、より強力に伝わる展開が確立しており、今回の各新製品も、これらパッケージ展開による「ブランド資産」を堅持しつつ、同等の製品では刷新、全くの新製品ではシリーズ強化につながる追加が成される事が求められます。
これらの新たな製品が加わることにより、その「強み」が売り場に於いてより定着化、拡充していけることを目指し、更には新たな機能を備えた製品としてのアピールポイントの明確化も実現する、デザインの検討を重ねました。
●パッケージデザイン制作
今回、それぞれ仕様の異なる計5種の製品パッケージ制作を同時進行しましたが、
統一デザインへのアプローチは3方向からとなります。
・既存製品(黒ベース)との入れ替え製品 → ①既存製品デザインを部分的に変更
・既存製品(黒ベース以外)との入れ替え製品 → ②統一フォームに合わせて全体的にデザイン変更
・新規製品 → ③統一フォームでデザイン
上述のとおり、新規製品はもちろん、既存分に於いても統一フォームと異なるパッケージであったものも、全て入れ替えを機会に統一フォームに集約させていきます。
クライアントからのデザインイメージ指示と既存フォームデザインを軸に、各タイプの初回提案ラフを制作。
既存品との入れ替えを想定した ① の製品に関しては、
極力差し替え前のパッケージデザインを踏襲。
但し、既存分と並ぶことも想定し、イメージ画像やアイコンのあしらいを刷新し、明確に差別化をしています。
(初回提案時)
また、入れ替え製品の中でも、前回同等製品のパッケージデザインが統一フォームではなかった ② のタイプは、要素の配置などはほぼ踏襲しつつも、全面的に統一化を図ったデザインに変更。
本シリーズのボリューム拡充に貢献し、統一フォームの店頭効果をより一層高めます。
③のこれまでに無かった新カテゴリーのゴーグルに関しても同様に、統一フォームでレイアウト。
画像イメージを多用することで、迫力ある2D映像視聴にも対応できる特徴をグラフィックで演出し、シリーズ内での統一感は保ちつつも、本製品によって得られる便益を際立たせています。
(② 初回提案時) (③ 初回提案時)
●撮影画像のレタッチ/合成について
今回新たに必要になる画像は全て自社のワンストップスタジオ京都にて撮影。
布製ベルト部分の見せ方も、装着状態を想定した自然なフォルムを再現するため、
厚紙などで固定を行い、それらを元にレタッチを随所に施して仕上げています。
また装着状態のイメージも、CG頭部との合成を想定してマネキン頭部に装着して撮影。
違和感なく合成ができるよう、角度や回り込みなどの調整を重ねて撮影を行いました。
●CGについて
また、一部の製品のメインイメージや仕様解説用画像については、フルCGで制作。
撮影時にサンプルの調達がつかない場合でも、社内のCGデザイナーによる高いクオリティで、
撮影と同等のディテールや質感に仕上げる事は勿論のこと、
部分的な強調やクローズアップにより、各部の機能説明をよりわかりやすく表現することも可能です。
(各種 フルCGイメージ)
●マニュアル制作について
さらに、今回はパッケージに同梱をする、各種マニュアルの制作も行いました。
指示原稿を元に、サンプルなどを参照して線画イラストを起こし、それらを多用して、
各部の説明、使用方法を、わかりやすく解説しています。
●完成
当初のイメージどおり、VRゴーグル&関連製品として、
個々の「高品位感」&「多機能感」を訴求できるデザインに仕上げることは勿論のこと、
新規もしくはリニューアル製品のアピールすべきポイントを明確に表現。
更には、VR関連機器シリーズとしての「統一感」を保持することで「ブランド資産」を継承・強化し、その訴求効果によって、店頭におけるシリーズとしての「存在感」をより一層高めることができる、パッケージシリーズに仕上げる事ができました。
(最終出稿時 全種仕上がりイメージ)
今後もその商品/シリーズにとって最善の表現手法を、既存品も含めた店頭状況を踏まえ、
ユーザーとクライアント、双方にとって最良の解決策を提供できる事を目指していきたいと思います。
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