2024.03.07
サンプル・見本帳制作-サステナブルな床材の場合
床材や壁材等インテリア製品の宣伝でネックとなるのが、イメージと実物のギャップです。
Webサイトやカタログ上にある製品画像から質感や色合いをイメージしてもらうことは難しいですよね。そのギャップを埋める最適な方法の一つが、サンプル帳・見本帳の制作です。
サンプルを実際に手に取って質感や色合いを確認できるだけでなく、ほかの素材との比較も可能なため、営業活動や展示会などでのPR、実際にご利用されるお客様への購入の後押しなど幅広く活用することができます。
『サンプル帳・見本帳』というと、紙面に布や壁材などの実物が小さく貼り付けられているイメージがありますが、今回のブログでは冊子とサンプル床材を同封した見本帳セットの制作事例をご紹介いたします。
デザインのポイントは、新製品の特徴でもある”サステナブルな素材”。その表現にぜひご注目ください。
目次
サンプル・見本帳のデザイン制作-サステナブルな床材事例の概要
はじめに、今回JPCで制作したサンプル・見本帳のデザイン制作事例の概要についてご紹介します。
ご依頼主 – 兵庫の床材/カーテン等インテリアメーカー様-
今回の案件は、床材、カーペット、壁紙、カーテンといったインテリア製品の企画・開発・製造・販売を行うメーカー様からご依頼いただきました。これまでにも新製品の見本帳や動画などのご依頼をいただき様々なプロジェクトでご一緒させていただきました。
ご依頼内容 -床材のサンプル化粧箱およびコンセプト冊子制作-
今回のご依頼内容は、新製品である床材のコンセプト冊子と、カットサンプルを納める化粧箱の制作でした。
床材のサンプル・見本帳といえば、多様な種類の床材のカットサンプルが多数貼り付けられているものを想像される方が多いかと思いますが、今回は、同シリーズをコンセプチュアルに紹介したいということで、このようなコンセプト冊子とカットサンプルを同封する形になりました。
この見本帳・サンプル帳を制作することで、施工業者様や施主様に新製品のコンセプトを紹介し、実際の質感が分かるカットサンプルを配布することで販売に繋げることを目的としています。
また、上記冊子の制作と合わせて、Webサイトや動画制作もJPCにて承りました。
デザイン制作時のポイント-エコロジーと親しみやすさを伝える-
新製品は、環境にやさしい「卵の殻」を原材料に使用したサステナブルなビニル床材です。
環境にやさしいリサイクル素材を使用した製品ということで、そのコンセプトが一目で伝わるようデザインにもエコロジー感や親しみやすさが求められました。
また、化粧箱にはターゲットユーザーが手に持ってみたくなるようなデザイン性を持たせることが制作上の課題でした。
実際に完成した冊子と化粧箱がこちらです。次章から、制作の流れを順にご紹介いたします。
サンプル・見本帳デザイン制作の流れ
床材のサンプル・見本帳のデザイン制作は、製品のコンセプトをお伺いするところから始まりました。
その後、ページネーションやラフデザインをご提案させていただき、製品の画像撮影もさせていただき、最終紙面に反映することでサンプル・見本帳カタログの完成となります。詳細は、下記のとおりです。
新製品コンセプトのヒアリング
まず始めに、製品の詳細についてお客様へヒアリングを行いました。
新製品の強みや刷新ポイント、そして製品の奥にある企業様の“想い”を制作前にしっかりと受け取りデザイナー自身が理解することで、コンセプトをデザインに深く反映することができます。
今回の製品は「卵の殻」をアップサイクルしタイルへ生まれ変わらせたサステナブルな床材ということで、実際にサンプルを見せていただきながら製品理解を深めました。
ページネーションやラフデザインの提案
最初に制作したのは、冊子のページネーション、ラフデザイン、化粧箱のダミーです。
化粧箱に関しては、デザイン性と強度のバランスを考慮しながら設計、調整を行いました。
お客様の方で「実際に卵の殻を一緒に入れたい」「卵モチーフが開く箱にしたい」というようなアイデアがありましたので、それをデザイナーの方で膨らませデザインに落とし込みました。
卵の殻は袋や瓶に入れると殻が粉のようになってしまう恐れがあったため、ラミネートに挟む方式を採用。見本帳表紙の割れた卵から、素材がのぞくようなあしらいを取り入れ、卵の殻のシート裏には商品特徴を記載しました。
箱自体も環境にやさしい紙素材のなかから選び、丸みのあるデザインと合わせて全体的に親しみのある、企業イメージを上げるような見本帳を目指しました。
新製品床材の撮影
デザインの方向性が決定した後は、コンセプト冊子やWebサイトなどに使用する素材をロケとスタジオのそれぞれで撮影しました。
ロケ撮影の製造工場では原料からタイルになるまでの工程を見ながら撮影を行い、動画用にインタビューも撮影しました。スタジオ撮影は弊社のONE STOP STUDIO KYOTOで実施。
製品単体カットのほか、実際に床に敷いたイメージカットの撮影も行いました。
サンプル・見本帳デザインの完成
撮影後は素材をデザインに反映しながらクライアントとの細かな修正のやりとりを重ね、冊子と化粧箱が完成しました。
最終の見本帳デザインがこちらです。
ご依頼いただいた製品がサステナブルな素材を使った床材ということで
そのコンセプトを活かした質感・ギミックを用いて、手に取ってみたくなる冊子と目を引く化粧箱が完成しました。
今回のご依頼ではコンセプト冊子をベースに、Webや映像へ展開することも考慮しながらデザイン制作を進めたため、全体を通して一貫したメッセージで製品の魅力を伝えることができました。
サンプル・見本帳デザイン制作でお客様にご満足いただける理由
当社がサンプル・見本帳のデザイン制作でお客様にご満足いただいている理由をご紹介いたします。
化粧箱などのグラフィック制作にも対応
グラフィック制作は、チラシなどの一枚モノやカタログなどの冊子が多くの割合を占めますが、時には今回のような化粧箱も含めてご依頼いただくことがあります。
今回制作したサンプル化粧箱はただの箱ではなく内容物と連動したギミックがあったため、図面にデザインし、サンプルを入れる強度は足りているかなど確認する工程を踏みながら印刷まで進みました。
こうしたサンプルセットは冊子だけを配るより印象に残りやすく、実物を見ていただけるので営業効果アップも狙えます。また、通常の営業時だけでなく、展示会や説明会の場での活用も可能です。
通常の印刷とは異なるため今回のような箱付き見本帳を依頼される場合は、実績のある制作会社に依頼することをおすすめします。
お客様とデザイナーの距離が近い
ご依頼されるお客様と実際に作業をするデザイナーとの間に何人ものスタッフが介すると、
お客様が実現したいイメージと実際に制作される広告にズレが生じる場合がありますが、
JPCはデザイナーがお客様に近く、時には商談に同席したり撮影現場でディレクターとして直接関わることもあります。
お客様の”より良いものにしたい”という想いを直接聞くことで、今回のように製品への想いをデザインに落とし込むことができるのです。
撮影では1日同じ現場で過ごすケースもあり、
人間性を含め知っていただくことで信頼してお仕事をお任せいただいています。
お客様によっては「次も○○さんでお願い」と言っていただけることもあり、
制作へのモチベーションにも繋がっています。
サンプル・見本帳デザイン制作のまとめ
今回の事例では、インテリア関連製品のコンセプト冊子とサンプル・見本帳デザイン制作の流れをご紹介いたしました。
環境に配慮した製品コンセプトと、シンプルかつ親しみあるお客様らしさを融合させたデザインで
手に取ってみたくなる見本帳が完成しました。
最近は「環境に配慮した製造工程・素材・製品」などが企業様の強みの一つとなることも増えました。
そうした強みを今回のようにデザインで表現することが私たちの仕事です。
撮影からグラフィック、Web、映像、広告配信まで幅広くご要望にお応えいたしますので、
ぜひお気軽にJPCまでご相談ください。