2022.11.17
展示会ブースのデザイン制作について-自然を感じさせるブースデザイン
企業にとって展示会への出展は、新たなビジネスチャンスを獲得するきっかけにもなる貴重な機会です。展示会で自社の製品やサービスをアピールしたい、他社との差別化を図りたいとお考えの企業様はたくさんおられることでしょう。数多くの企業が出展する展示会で、自社のブースを、いかに目を引く魅力的なものにするか、お悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。
今回は、歯科関連メーカー様よりご依頼いただいた展示会ブースのデザイン制作についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
展示会ブースデザイン制作事例 -歯科補綴物メーカー様のブース事例の概要
まずは、今回JPCで制作した展示会ブースデザインのご依頼内容について詳しくご紹介します。
ご依頼主 –大阪の歯科補綴物メーカー様―
クライアント様は、歯科医療をトータルでサポートできる口腔ヘルスケアカンパニーとして歯科補綴物を製造・開発されるメーカー様です。弊社が長年お付き合いさせていただいているクライアント様で、これまで様々な広告制作に携わらせていただきました。展示会ブースデザインに関しても、様々な歯科関連の展示会に出展しておられるため、何度もご依頼いただいます。
ご依頼内容 -学会で開かれる展示会ブースデザイン-
今回ご紹介するのは、名古屋国際会議場で開かれた「インプラント学会」での展示会ブースのデザインです。日本全国から歯科業界の方々が参加される学会ということで、クライアントも力を入れておられました。この学会は、コロナ禍で前年までしばらくWeb開催が続いており、この年は久しぶりのリアル開催だったこともあり、特に気合が入っておられました。
ブースデザイン制作時のポイント-従来のイメージを一新-
今回のご依頼でクライアント様が一番大切にされていたのが、「今までの展示会とは違うイメージにしたい」ということでした。それまで弊社でご提案・デザインさせていただいていた展示会ブースデザインは、スッキリとしたクールでスタイリッシュなデザインで、クライアント様の技術力をアピールし信頼感を与えるテイストが多かったのですが、今回は自然のぬくもりを感じさせたいとのことでした。
展示会ブースデザイン制作の流れ
今回の事例の制作の流れに沿って、展示会ブースデザインの制作過程をご紹介いたします。
展示会ブースデザインに関するクライアントへのヒアリング
まずはクライアント様のご要望を丁寧にヒアリングさせていただくところから始まります。この時点でできるだけ詳細にイメージを共有しておくことが、その後のスムーズな制作進行につながります。
今回クライアント様が描いておられたビジュアルイメージは、以下の3点でした。
- 今までの展示会とは違うイメージにしたい
- 自然を感じさせたい
- 高さを強調したい
広い展示会場に複数の企業が出展する中、クライアントのブースを目的に来場された方には遠くからでも気づいてもらうため、またクライアントのことを知らない方の目にも留まるために、高さは弊社でもいつも意識するポイントです。
パース図・平面図・立面図の制作とご提案
まずはクライアント様よりお聞きした内容で、平面図・立面図の制作を先行して進めていきます。最初に提示された会場のスペースにクライアント様のイメージを落とし込んでいく作業は、プレッシャーもありますが腕の見せどころです。
これが出来上がった俯瞰図(真上図)と立面図(正面・右面・左面・背面)です。
限られたスペースに、うまくおさめることができました。
ここから、実際のブースをクライアント様にイメージしていただくために、パース図の制作を開始します。まずは、俯瞰図と立面図を元に弊社の営業担当とクライアント様でイメージや細部の打ち合わせをして、フィードバック。その後、パース図を制作していきます。
私は『Strata Design 3D CX』というソフトでパース図を制作していくのでこの平面図からAdobe Illustratorで必要な部品を制作し、Strata Design 3D CXに取り込んで立体化していきます。
私はいつもPC内でプラモデルを組み立てるような感覚で制作していきます。そうして出来たのがこの様なパース図です。
クライアント様のご要望に対しては、以下のように意識しながら形にしていきました。
●今までの展示会とは違うイメージ
→シンプルに見える様、装飾物をなるべく少なくすることでスッキリとさせる
●自然を感じるイメージ
→ブース自体に木目シートを貼りつけることでナチュラルな印象にし、ガーランド(造花)の蔦を上部につけて、シンプルでありながらも自然感を強調させる
●高さを強調したイメージ
→離れていても目立つようにブース自体をタワー形にすることで、シンボリックな感じに仕上げました。
これでクライアント様のイメージするパース図が出来たと思ったのですが、実際に高さを強調したパース図にしてみたところ、上部のパラペットが見えにくくなってしまうことが判明しました。
弊社の営業担当と打ち合わせを重ねた結果、イメージ1案の提出予定でしたが、急遽別案を制作することとなり、タワー部分をぐるりと囲んだ「持ち出しパラペット」にすることになりました。
図面を再度訂正して、部品を制作していきます。
そうして出来たのがこのパース図です。
今回の事例のように、図面を見るだけではわかりにくいことも、パース図にすることで、よりリアルにブースデザインをイメージできるので、ブースデザインの時にはとても重要な役割を果たしているのです。
3Dデータがあれば、いろんな角度からレンダリングができるので、クライアント様からの「この角度が見たい」や「この色が見たい」といったご要望にも柔軟に対応することが可能です。
展示会ブースの完成 -自然を感じさせるナチュラルなデザイン
今回は、提案書制作を提出しご検討いただくことになっていたので、提案書用に裏面からのパース図や床のカーペットの色、タワーの配置を変更した、以下のようなパース図を制作しました。
提案書にはパース図・平面図・立面図をまとめたものでご提案させていただきました。
今回はスッキリとしたシンプルなデザインでありながら、それまでとイメージを一新するようなブースが出来たと思っています。
展示会ブースデザインと合わせて依頼したい制作物
今回のクライアント様には、このブログでご紹介した展示会ブース制作の他にも、カタログ制作、3DCGなどもご依頼いただきました。
JPCでは、クライアント様の制作物を、グラフィックデザイナーが継続して担当させていただくことも多く、製品やクライアント様の想い、各業界の動きなども随時把握して制作を行っています。
展示会で使用するツールも一緒にご依頼いただくと、デザインイメージの統一を図ることができるため、一体感が生まれ、ブランディング向上にもつながります。
展示会で配布する製品カタログ
展示会ではしばしば製品カタログやリーフレットが配布されます。
展示会ブースデザインを行う制作会社に一括で依頼することで、窓口が一本化され担当者さまの負担軽減につながります。またブースに採用したデザインを配布物にも採用することで、自宅に持ち帰ってからも展示会の世界観を思い出してもらうことができます。
製品カタログやその他のツールに掲載する3DCG
JPCにはCGに特化したクリエイターが在籍しています。展示会ブース内のパネルや製品カタログやその他のツールに掲載するプロダクトCGや、CGキャラクターなども自社で制作が可能です。
営業担当、グラフィックデザイナーと連携して進めるため、進行もスムーズです。
展示会のブースデザイン制作のまとめ
いかがでしたでしょうか。今回は歯科関連の展示会ブースデザインの一例をご紹介いたしました。
今回の事例では、ある程度クライアント様サイドでイメージが固まっておられましたが、「効果的なブースにしたいけど、どんなデザインがいいかわからない」「何をつくればいいかわからない」とお悩みのご担当者様も是非おまかせください。
京都・大阪・神戸はもちろん、東京営業所もございますので、関東、首都圏のお客様も心よりお待ちしております。