2024.10.10
製薬会社のスイングPOPデザイン制作事例-ドラッグストアなどで展開
せっかく作った新商品パッケージやディスプレイ広告が、いざ店頭に並ぶと他商品と馴染んで目立ちにくくなってしまったという経験はございませんか?
ターゲットに店頭で手に取っていただくには、視線を誘導する仕掛けが大切です。その仕掛けの1つがスイングPOPです。
風や人の動きでゆらゆらと揺れるスイングPOPは、棚から飛び出たビジュアルも相まって自然に視線を集める効果が期待できます。商品で訴求したいポイントのほか、受賞歴や売上No.1など、購入を後押しするような強みを伝えるツールとしても活躍します。
今回は、製薬会社様からご依頼いただいたスイングPOP6種のデザイン制作事例をご紹介します。以前制作したバナーの反響結果からターゲットを絞り、店頭用にリサイズし6種のデザインを展開しました。スイングPOP制作をご検討の方、店頭ディスプレイのバリエーションを増やしたい方は、ぜひこの記事をご参考ください。
目次
スイングPOPのデザイン制作の概要
まず、今回のスイングPOPデザイン制作の概要について、ご紹介いたします。
ご依頼主-東京の製薬会社様-
今回の案件は、イギリスに本社を置く、東京都港区の製薬会社様からご依頼いただきました。
この企業様は、日本国内ではオーラルヘルスケア製品やOTC医薬品などを製造・販売しておられます。
これまでもJPCではWebサイト、映像、バナー、リーフレット制作など幅広くご依頼いただいております。
ご依頼内容-製品のスイングPOP制作-
今回は、ドラッグストアなどの小売店で陳列棚などに使用される、スイングPOP6種のデザインから印刷・加工までをご依頼いただきました。
対象製品は非ステロイド性鎮痛消炎剤です。消炎鎮痛テープ剤として知名度が高い商品ですが、現在はクールタイプと無香料タイプの2シリーズのほか、ゲル/ローションなどの剤形違いも販売されている人気商品です。
デザイン制作時のポイント-女性のライフスタイルに寄り添う-
以前同製品のバナーを制作した際、「無香料タイプ」「女性の画像使用」のバナーのコンバージョンが、大変よかったとのご連絡をいただきました。
この広告結果から、「女性にも消炎鎮痛テープ剤のニーズがある」「偏ったイメージが、関心や購入を遠ざけてしまっているではないか」ということが想定され、第2弾のバナーを制作しました。
今回のスイングPOP制作は第2弾のバナーデザインをベースに、無香料タイプの商品群を中心として女性のライフスタイルに寄り添う6種のデザインを展開しました。
製薬会社のスイングPOP制作の流れ
今回のスイングPOP制作は、過去のバナー制作から派生してご依頼いただいた案件でした。まず幅広いユーザーに向けたバナーデザインを制作し、その広告結果から訴求テーマを絞り、今回のスイングPOPデザインへと繋がっていきました。詳しくは、次節よりお伝えします。
1回目のバナー制作
本件は、以前ご依頼いただいた2度のバナーデザインを元に派生した、いわゆる第3弾にあたる案件です。前提として、バナーのお話から紹介いたします。
まず第1弾として、ターゲットやニーズを幅広く考慮した、6種類のバナーをJPCにて制作いたしました。
一般的な消炎鎮痛テープ剤というと、クールな香りと男性向けのイメージが強いですが、そのような従来のイメージに近いデザインに加え、香りが気になる方向けの無香料タイプのデザインや、女性のライフスタイルに寄り添ったアプローチのデザインも制作しておりました。
制作したバナーがこちらです。
使用先がバラバラでしたので、サイズのバリエーションも複数ご用意しました。
結果、無香料タイプのバナーや女性の画像の入ったバナーのコンバージョンが良好で、第2弾のバナーや今回のスイングPOPのメインテーマとなりました。
2回目のバナー制作
2回目のバナー制作は、ご依頼の段階で5つのアプローチをご提示いただいておりました。しかし、お話を伺っていくと5種のビジュアルが似通ってしまう懸念が出てきました。
そこで、デザインでは5種に明確な違いを持たせ、ターゲットである女性の共感をしっかりと得ることを目指しました。
また、できるだけ多くの女性に受け入れていただけるデザイン表現と、「消炎鎮痛テープ剤」らしさのバランスを取ることも重要なポイントでした。
数回のご提案や協議を重ね、情報を整理していき、以下5つのアプローチで展開することになりました。
- 肌へのやさしさ
- 無香料であること
- つけ心地の気にならなさ
- 無香料&低刺激ではあるが、しっかりと効果があること
- つらい痛みへの共感を得られるもの
ここに、毎日がんばる主婦や働く女性のライフスタイルを紐付けて、写真素材をセレクトしていきました。
「つらい痛みへの共感を得られるもの」の素材は、過去にJPCで制作したプロモーション映像から流用しています。
キャッチコピーや商品特長などを効果的にあしらって、パッケージデザインに負けない訴求力をもたせた、第2弾のバナーが完成しました。
完成したバナーデザインがこちらです。
スイングPOPデザイン
スイングPOPのデザイン制作は、第2弾のバナー制作のデザインを元に進行しました。
全6種で、ドラッグストアなどの店頭での見え方を考慮し、情報の強弱を調整して再レイアウトしています。
商品の掲載点数に応じて、スイングPOPの横幅サイズは、2種類で制作しました。
また、印刷・加工においては、店頭での使用のため「他の商品と差別化したい」「折れにくい素材がよい」というご要望をいただいておりました。
これらを踏まえて下記のご提案を行い、どちらも採用いただきました。
- パッケージ部分だけLCコートをかけ、質感でのコントラストをつける
- 光沢のあるPP加工をし、耐久性をアップさせる
※LCコート:UV塗料をコーティングし、部分的〜全面にツヤあり/なしの質感を施すことが可能です。
※PP加工:「ポリプロピレン加工」を略した呼び名で、印刷用紙の表面をポリプロピレンフィルムでコーティングする加工です。コーティングすることで、インクが剥がれにくくなると同時に、傷がつきにくくなります。
製薬会社のスイングPOPデザインの完成
完成したスイングPOPがこちらです。
本件は過去に制作したバナーのコンバージョン結果がきっかけとなって、制作に至りました。
さまざまな媒体で統一されたグラフィックを使用することは、ブランドイメージを定着することに効果的ですが、今回のようにあえてターゲットに幅を持たせ、複数デザインを打ち出すことも一つの戦略です。
広告効果を検証し、アプローチやデザインを絞りブラッシュアップしたことで、
より訴求力を高めていけたのではないかと感じております。
スイングPOP制作の後にLINEのバナー制作もご依頼いただいており、
そちらのコンバージョン結果も大変楽しみです。
スイングPOPの活用シーン
今回は、製薬会社様の製品をPRするスイングPOPのデザイン制作についてお伝えしました。
スイングPOPは主にほかの販促物とセットで使用されるため、プロモーションで必ず制作される広告ではありません。
どのようなシーンで効果を発揮するのか、スイングPOPの活用シーン例をご紹介します。
店頭の商品棚-オススメ商品を強調
スイングPOPは、店頭の商品棚に設置することで、特定の商品を目立たせる効果があります。棚から少し飛び出して揺れる形状は、自然に消費者の目を引きやすいため、オススメの商品やプロモーション商品を強調するのに最適です。とくに新商品の告知や期間限定のキャンペーン商品など、消費者に優先して伝えたい情報をアピールするためのツールとして活躍します。
レジ付近-視界に入りやすく購買意欲向上
レジ付近は、消費者が会計を待つ間などに周りの商品に目を向けやすい場所です。スイングPOPは風や人の動きに応じて軽く揺れるため、レジ待ちの方々の視線を自然に引きつけ、レジ前に配置された商品の衝動買いを促進する効果があります。たとえば、小型のスナック・飲料・キャンペーン中のアイテムなど、手に取りやすい商品と組み合わせることで、売上アップに貢献します。
中吊り広告やポスターに-立体感が出て注目度アップ
電車内の中吊り広告や店内外のポスターにスイングPOPを加えることで、広告に立体的をプラスし、注目度を高める効果があります。コンパクトでどこにでも取り付けやすいスイングPOPなら、ポスターデザイン内に収まらなかったPRポイントやキャッチコピーなどを、手軽に追加できる点もメリットといえます。
製薬会社のスイングPOPデザイン制作のまとめ
今回は、製薬会社様の製品のスイングPOP制作についてお伝えしました。
過去に依頼いただいたバナー制作から、ユーザーに刺さるデザインを絞り、新たな販促物としてブラッシュアップする過程をご紹介いたしました。
初期のバナーよりターゲットを絞りつつも、6種のデザインを異なるトンマナで仕上げたことで、お店を利用する消費者に幅広く受け入れてもらえるデザインが完成しました。
店頭ディスプレイはスイングPOPのほかにも、レールPOPやアテンションPOPなど複数の販促物を組み合わせることで、訴求力の高いディスプレイに仕上がります。新商品プロモーションの際は、ぜひご検討ください。
JPCのPOPやディスプレイルーツ制作について、詳しくは下記のページもご覧ください。
店頭POP・ディスプレイのデザイン制作