2020.03.02
ゲームエンジンが変えるリアルタイム合成
映画「スター・ウォーズ」シリーズは、常に映像における特殊効果の革新を促してきました。
モーションコントロールカメラによる合成、コンピュータグラフィックスの使用など、その功績を挙げるとキリがありません。
そしてスター・ウォーズ初の実写ドラマ「マンダロリアン」でさらに新しい撮影技術が導入されました。
それが、ゲームエンジンであるUnreal Engineでレンダリングした背景をリアルタイムで表示して撮影するという方法です。
従来、SF映画などの人物と背景の合成は、グリーンバックを用いたクロマキー合成で行われていました。
ただ、撮影したものにはグリーンの照り返しや写り込みが入るので、ポストプロダクションにおける処理に膨大なマンパワーが必要になってしまいます。「マンダロリアン」のように全身金属のアーマーを身につけた人物が主人公であればなおのこと大変でしょう。
今回撮影スタッフがとった手法は、270度で囲まれたLEDの壁の中で被写体を撮影するという方法です。
どこにゲームエンジンが使われているのかというと、3DCGで作られた背景がカメラの動きに合わせてリアルタイムで反映されるというところです。
この手法で撮影を行えば、グリーンバックの影響を気にすることなく、照明なども自然に馴染むという寸法です。
昔のヒッチコックの映画などでも、リアプロダクションという投影した映像を合成した技術はありましたが、この「マンダロリアン」の技術はデジタル時代のリアプロダクションと言えるでしょう。
私たち東京・大阪・京都を中心に映像制作サービスを展開するJPCも、常に新しい映像技術にキャッチアップしてコンテンツ作りに活かしていきたいものです。